幅広い過去事例を知る

家主から立ち退きを要求されると、「立ち退き料の相場を知りたい」「できれば立ち退き料で損をしたくない」という方が多いはずです。

 

しかしながら、立ち退き料に相場はありません。

物件や立ち退き事由によってケースバイケースだからです。

 

だからこそ知っていただきたいのが幅広い過去事例です。

 

過去事例というのは立ち退き料を巡った裁判結果や、当事者同士の話し合いで決まった金額、あるいは弁護士などの専門家が介入して決まった金額などです。

 

「私はこの家に住み続けたい。だから立ち退き料1億円支払え」と言ってもあまりに過去事例とかけ離れているため認められない可能性が限りなく高いのです。

 

知っておきたいポイントは以下のとおりです。

 

・なぜ立ち退きが必要なのか

立ち退きに至った理由です。

賃借人(家主)はなぜ物件を明け渡してほしいかということですね。

例えば、家主が住んでいる自宅が手狭になったので、貸している物件に住む必要が出てきた場合。これは家主の個人的事由が大きくなります。

一方で、建物が老朽化したため、借主への安全性が著しく低下する場合。これは家主の個人的事由は少なく、必要性の大きい事由と言えます。

 

・物件の利用状況

そもそもその物件を利用しているかどうかです。

住居の場合、毎日生活をしていて当然ですが、事務所や店舗として契約したものの倉庫や物置としてしか利用されていないケースではそもそもあまり利用していないことになります。

その物件の必要性の高さで立ち退き料が変わってくることがあります。

 

インターネット上では数多くの過去事例が紹介されていますので、それらをぜひ参考にしてみてください。

あるいは専門家へ相談することは、ご自身のケースの場合どの程度の立ち退き料が妥当かを知る近道となります。

迷惑料、慰謝料、心づけとは?

立ち退きを要求され、立ち退き料を提示されたもののその金額が妥当かどうかお悩みの方もいらっしゃるかもしれません。

 

立ち退き料は法的な支払い義務もなく、金額も法律で定められているわけではないので、あくまで家主と借主との間で合意した時点で金額が決定します。

言い換えてみれば、家主と借主との間で0円で決着すれば立ち退き料なしで成立しますし、法外な金額で決着することもありえます。

 

ただし、多くの場合は一定の考え方のもとに立ち退き料が算出され、2者間で合意し立ち退きが成立しています。

 

一定の考え方というのは、実際に引っ越しや転居にかかる費用として引っ越し代や新たな物件の初期費用、そして迷惑料や慰謝料などです。

 

この中で妥当かどうかもっとも悩む項目が迷惑料や慰謝料です。

あるいは、慰謝料や迷惑料が0円であることを不満に思っていらっしゃる方もおられるかもしれません。

 

迷惑料や慰謝料は、立ち退き料そのものの支払い義務がないことから、家主が必ず支払うものではありません。

また、家主側からの要求で立ち退き要求がなされることも、賃貸借契約に記載されていることが多いため、決して迷惑料や慰謝料が要求されるような行為でもありません。

 

ただし、立ち退き事由がとても重要となります。

「家主が明日からこの物件に住みたくなったから引っ越してほしい」

「家主がこの場所で店舗事業をすることになったから別の物件で営業してほしい」

といった家主側の事由が大きければ、迷惑料や慰謝料にあたる金額が支払われるケースが多いようです。

 

立ち退きを要求されると、迷惑料や慰謝料などの費用を要求する人がいますが、希望される金額が認められるかどうかは家主により異なります。

また、話し合いに折り合いがつかず裁判によって決着を迎える場合は、過去の事例に基づき決定されることを頭に置いておきましょう。